Wednesday 25 May 2016

水彩画のワークショップ@Briere/France ③

 
ワークショップ二日目は車で遠出。ブリエール/Briereは塩の生産で有名なゲランド/Guerande に近くて、小規模な塩田が結構ある。ドゥニ師匠の友人に、ソフィーという塩田で働く女性がいて、午前中は彼女が塩田で作業する様子、そしてその周りの風景を描くという課題でした。



ソフィーの塩田

 

働くソフィー



実際に塩を収穫できるのは八月の短い時期ですが、収穫時期ではない時も常に塩田の管理が必要で、一年を通しての肉体労働。ソフィーは健康的に日焼けして、そして実にたくましい腕をしていました。こういう現地の人の地に根ざした生活の様子、実に興味深い。

塩が収穫できるのは真ん中の二列、丸い台のついている部分で、その周りを囲む塩田は、海水の水分を徐々に蒸発させ、塩水の濃度を上げていくためにあるとか。そして一区画からの収穫高は、その年の天候にも左右されるけれど、平均して約一トンくらいという話でした。一番最初に収穫される、真っ白な「塩の華」/Fleur de sel が、収入の大きな部分を担うそうです。塩の華は、収穫したては塩に含まれる藻の成分で、実際にほんのりとお花の香が漂うそうです。残念ながら袋詰めする頃には消えてしまうそうですが。そしてその後に収穫される、グレーがかった色をした塩田の底の方の塩は、土壌のミネラルを含んでいて、安価だしお風呂に入れる塩としても有効だそうです。

ソフィーはナント大学で環境学の博士号を取り、そして塩田で働くというライフ・スタイルを選びました。そういう人生の選択もあるんだなぁ。




ソフィーから買った塩。産地直送どころか、現地で塩作った本人から買えるなんて、特別感ハンパない。ほんとはグレーのミネラルたっぷり塩の方も買いたかったけど、重いので断念。

さて本題、ワークショップ。まずは周りの風景のことは考えずに、人だけを集中して描くように、とのお達し。動いている人や動物は難しいけれど、塩田での作業は何度も同じ動作を繰り返すので、腕なら腕、足なら足、と一点に絞って観察して描き、次の部分移るといいよ、というアドバイス。それから、ここでも細部を描こうとしないで全体の形をつかむように言われました。

いくつもいくつも描いていると、だんだん手が慣れてくる、とは言え、やっぱり動いている人は難しい~。




手元を見ていると、描こうとする主体がどんどん変化してしまうので、殆ど手元を見ずに描いてみたページ。自分的に、おっ、結構面白いんじゃない?という出来あがり。なんか、怪獣みたいなのも居るけど。


   
 
 
 
大雑把に線で捉える、というのが何となく分かってきたところで、次に風景も入れて描きましょう、ということに。要素として、塩田の横の小屋とソフィーを含めて描くように言われました。
 
 
 
 
 
 ざっくりノートに描いてみてから、画用紙に描いたのが下の絵。ドゥニ師匠からは、要素は抑えているけど小屋もソフィーもデカすぎる、と言われました。そーか。何かヘンだと思っていたんだ。そーだったのか。広大な風景を前にすると、構図を決めるのも難しいし、その中に含まれる要素のプロポーションを正しく描くのもホント難しい。
 
 

 
 
塩田を後にして、次はランチということで近くの海辺に向かいます。続きは次回に。
 
 

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