Monday 22 December 2014

アコスタ版ドン・キホーテ@ロイヤル・オペラ・ハウス


凛々しいマタドール達にホレボレ。 

2014年12月20日(土)
キャスト
ドン・キホーテ: クリストファー・ソーンダース
キトリ: ナタリア・オシポワ (一幕)、高田茜 (二・三幕)
バジリオ: マシュー・ゴールディング
闘牛士: 平野亮一
メルセデス: ラウラ・モレラ 

去年が初演だったアコスタ版のドン・キホーテ。去年観たセレンコは上品で大人し目なキトリだったので、今年は身体能力が超人的なオシポワが踊る日 を選んでチケットを購入。…が、何とオシポワ、一幕目のソロで、大きく後ろに背中を反らすジュッテの後に転倒、一幕は立派に踊り切ったものの、怪我のため二幕めからは代役が立つというハプニング。生のパフォーマンスは色々ありますね。


このジャンプの後に転倒


代役には高田茜さんが立ちましたが、彼女も素晴らしかったです。計らずも、一つのパフォーマンスで二人の全くタイプの違うキトリを観る事が出来ました。残念だったのは、二幕のドリーム・シーンでのキトリのソロが端折られてしまっていたこと。ええぇーーーっ、そ、それってありなのー⁉︎ って、ホント驚きましたよ。高田茜さんはすでに同じ日のマチネでも、これまた代役でキトリをフルで踊った後だったという話なので、きっと彼女の身体を保護する為の処置だったんでしょう。

あと、オペラ・ハウスの観客っていいなー、優しいなと思ったのは、転倒したけれどソロを踊り切ったオシポワにも、代役を務めた茜さんにも、盛大な拍手喝采を送っていたところ。いつもの三倍くらいの拍手だったんじゃないかしらん(当社比)。ハウス内が轟々と鳴り響いていました。

…というハプニング・レポートはさて置き、オシポワとマシュー・ゴールディングのパートナーシップ、丁々発止という感じで、すごく良く合っていました。威勢が良くて男勝りな肉屋の娘キトリと、ヤンチャで怖いもの知らずの、ちょいとイケメンな若い床屋バジリオって感じ。旬のダンサー同士って溌剌として、えっらい元気いっすねー、って、自分の言葉遣いまで体育系になってしまう勢い。ジャンプの高さなんて、オシポワとゴールディング、あんまり変わらないんじゃないの?ってくらいオシポワは高く跳んでた。

これに対して高田茜さんのキトリは、強気の女の子だけど、護ってあげなきゃ、という気持ちを起こさせる、可愛らしさのあるキトリでした。一幕目では硬派寄りに見えていたマシュー・ゴールディングが、茜さんがキトリだと、ナルで軟派なチャラ男に見えてしまうのはナゼ⁉︎

それにしても、今までに組んだことの無い相手と、多分ほんの20分くらいしかリハーサルする時間がなくていきなり舞台って、心臓破裂モノだと思うんですけど。プロって、それでも踊れてしまうからプロなのね。すごいわ。

オシポワがキトリとか元気の良い女の子の役を踊ると、元気すぎてこっちのエネルギーもかなり持って行かれて結構疲れる、という事が分かったので、次回は彼女がジゼルとかオデットとかの、しっとりした役所を踊るのを見てみたいかも、と思います。オシポワ、怪我が大した事無いと良いんですが。早く治ることを祈ります。


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